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時代の変化とともに、こころの病に対する認識は変化しつつあります。しかし、実際に患うご本人やともに暮らすご家族の苦しさや辛さはそう変わったりしません。どんな理屈や倫理感や常識があろうが、すべてを投げ出したいのは一度や二度ではないでしょう。
我が存在を、あるいは我が子やパートナーの存在を本当に投げ出したい、その川の渡し船に乗ってしまうその前に、ここにちょっと立ち寄ってほしいと、「先人」たちが開設したお茶屋さんです。

家族 2020.02.03

お守り

娘の枕の下に薄いカミソリを見つけたとき、ショックと驚きで全身が硬直した。
どうしたらよいかわからなくて、相談室に駆け込んだ。
カウンセラーの先生は落ち着いて「それはお守りみたいなものなんだよ。」と言う。
最初は意味がよくわからなかったが、自分自身に「お守り お守り」と言い聞かせ、娘の前では知らないふりをして普通にふるまった。
とにかく、想定外のことばかりで、その度にハラハラドキドキしていたが、だんだん慣らされていった。



家族 2019.08.03

笑顔の思い出

幼い頃、娘は大きな声でよく笑う子だった。
子供の時の笑顔を思い出すことが、最近よくあるが、いつも13歳で止まってしまう。
それから後の笑顔がほとんど思い出せない。楽しそうに青春時代を送る他の子達と娘を比べては、不憫でたまらなかった。
私の子育てが悪かったのだ。もっと愛情をかけていたら・・・もっとしっかり話を聞いていれば・・・堂々巡りの後悔ばかり。いつも暗い顔をしていたと思う。
「そんな私を見るのは娘にとっても辛かったのだ。もっと自分を大切にして楽しまなければ」と気づくのには、ずいぶん時間がかかってしまった。



家族 2019.04.03

精神科

今から15年前、初めて娘の付き添いで精神科に行った時、私は緊張と不安で震えていたのを覚えている。インターネットで調べて訪れたそのクリニックは薄暗くて、待合室には4、5人の若い男女がいた。先生はどんな感じなのか、診察はどのようにするのか、薬を飲んだら良くなるのだろうか...とにかく不安だった。
「自分が、そして娘が精神科と関わることになるなんて思ってもいなかった。」
今思えばほんの序の口のことだけど、その時は真っ暗闇に突き落とされた思いがした。





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