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地域活動支援センター ミモザ

地域活動支援センターミモザは、1998年に病院の摂食障害家族会と当事者グループの人たちによって立ち上げられ、2001年に横浜市の認可を受けて運営を開始しました。
現在は、摂食障害をはじめさまざまな心の病気をもつ女性のための居場所兼リハビリテーション施設として活動しています。ひとりひとりがそれぞれに合った回復の形を身につけられるようお手伝いしています。



1.「居場所」として活用する

摂食障害をはじめ心の病をもつ人たちは、さまざまなストレスをきっかけに、引きこもり状態になってしまうことが少なくありません。うつ状態を伴うこともあるので、生活が昼夜逆転してしまうことも多いです。

摂食障害の人たちは、元来、真面目な人たちですから、何もせず家にいることは、とても辛いことです。かといって、すぐにアルバイトができるわけでも、ましてや継続することも困難です。体型や体重・食べ物のことだけに長い時間を費やしてしまったことから、興味をもつ幅がせまく、他のことで時間を潰すことができない…こんなことから、家の中で肩身の狭い思いをしていることも多いでしょう。

また、家族と四六時中顔をつき合わせていることもなかなか大変です。こういった状況に合わせて、生活リズムを整え、家でも学校でも会社でもなく病院でもない…「日中通える場所」があるといいな、と私たちは考えました。



2.「病気についての正しい知識を学ぶ場」として活用する

摂食障害をはじめ心の病をもつ人たち(またはその家族の方々も)は、本などでよく勉強されていることが多いようです。

しかし、教科書に書いてあることと、病気の実態にはズレがあることが少なくありません。ミモザでは、月2回、摂食障害の臨床に詳しい心理士・スタッフによる勉強会を実施しています。本に書いていないような、より深く詳しく新しい情報を得ることができます。

そして、自分の病気のことがよくわかると、自分の今立っている現状がよく見えてきます。ミモザで他の摂食障害の仲間(自分より回復している人、自分と同じくらいの位置に立っている人、過去の自分と似た状況の人…etc)と関わることによって、「摂食障害をもつ自分」に直面することになります。

ミモザで先を歩く先輩=「回復のモデル」に出会い、先の見えない未知で不安な未来が実際に見えることは、回復していった先の姿が見えないとされる摂食障害の人たちにとっては、とても安心なことです。



3.「リハビリテーションの場」として活用する

ミモザは、さまざまな病気の段階における、「実践の場」となります。食べ物の問題が大きい人たちのために、また、症状を緩和するリハビリテーションとして、食事会などのトレーニングプログラムが実施されています。症状が落ち着いてくると、必ず心理的な問題に直面することになります。そのために、悩みを摂食障害者同士で話し合うED(Eating Disorder)ミーティングを利用して問題に取り組むことができます。更に、その人の病気の段階に合わせた社会参加・生産活動ができるよう、作業や会の催しのための各種実行委員会に参加することもできます。

摂食障害は、思春期という早い段階から発症してしまうことが多いため、自宅と病院の往復だけになりがちで、社会経験不足が顕著です。「人と関わる」ということ自体がリハビリで、定期的に人と関われる場所が必要なのです。対人緊張が強い摂食障害の人たちにとって、社会に出て行くステップとなる、このようなリハビリテーションの場はとても貴重です。