「敵に勝つには、敵のことをよく知って戦うべし」とよく言われます。病気の回復も同じかもしれません。病気への知識を深めることと、その学びをどのようにして実践していくかということでしょう。欧米ではそのトレーニングのための入所施設がありますが、高い利用料を負担できる一部の富裕層に限定されてしまっています。
一方、我が国の医療の現状では、摂食障害は身体的に厳しい状況にある場合、ましてやパーソナリティ障害では緊急避難的な場合と、極力限られた期間での入院にとどまっていて、先の欧米のようなシステムでの入院はほとんどありませんでした。
そこである医療機関で2000年から全国で初めての摂食障害の教育入院が始まったのですが、そのシステムを日常生活に近い環境の中で、さまざまな教育プログラムとして会が今年度から提供しようということになりました。先の医療機関での教育入院プログラムに携わってきた専門スタッフ(看護師、栄養士、心理療法士、臨床検査技師)らが入居管理にあたり、安全性、信頼性の高いプログラムを提供します。
会の契約したマンション(家具一式備え付け)に単独入居
原則としては3ヶ月を1クールとしています。
入所型教育プログラムへの参加を希望され、その意義について同意される方。
原則としてこれまでに会の相談スタッフとの面識があり、プログラムへの参加が安全に有効的になされると判断される方(MIMOS”Aに登録されている、継続的にカウンセリングを受けている、家族が各種家族会に継続して参加されているなど)、主治医からも許可が得られ、入所型教育プログラム参加を勧められている方に限ります。
プログラムは個別のものと、管理者の下で行われる共同のものとの組み合わせです。
・会の提供する居住空間(マンションの1R)での単独入居
・規則正しい生活の確保
・週1回の心理療法士の面接
・入居管理者担当のプログラム
・月1回の作業所スタッフ、心理療法士、入居管理スタッフらとご本人とで行われるナビゲーションプログラム(総括ミーティング。主治医参加のこともあり。)
・相談室で行われる各種勉強会やミーティングへの参加
・栄養指導
・奉仕作業
・外泊や本格的一人暮らしへの準備
・入居者用認知行動療法プログラム など
プログラムは、ご本人との話し合いの上で、個人ごとに異なります。
1ヵ月 ¥100,000〜130,000
家賃、管理費、光熱費、水道代、プログラム費含む。ただし食事(栄養指導分以外)や生活費は個人負担となります。
これらの事業は、平成21年度かながわボランタリー活動推進基金21からの補助金を受けて運営されています。
この事業拡大に伴い、従来から実施されていた各種事業でも新たな活動を広げ始めています(家族会部門の“ダーボ港の会”(BPD家族会)での勉強会の開始や、各種機関への出張講演会など)。詳細につきましてはのびの会HPにてご確認ください。